学振おめでとう
posted on 11/06/2018 4:03 PM
Keio University School of Medicine, Dept of Physiology |
Yuzaki Lab |
J Physiology (London)誌に博士課程4年の河野さんの学位論文が出ました。
記憶の基礎過程として考えられているLTPやLTDの発現にはNMDA型グルタミン酸受容体(NMDA受容体)が必須であることがよく知られています。これまでの研究で、運動学習に重要な小脳においても、NMDA受容体がLTDやLTPの発現に必要であることが示されていました。しかし成熟後には小脳プルキンエ細胞にはほとんどNMDA受容体が発現しません。では、一体どの細胞に発現するNMDA受容体が、どのようにLTP/LTDを制御するのでしょうか?この論文では、プルキンエ細胞、顆粒細胞、介在神経細胞それぞれにおいてNMDA受容体遺伝子を欠損させることによってこの問題に挑みました。
posted on 11/03/2018 1:24 PM
筋線維は筋芽細胞の融合によって作られます。筋芽細胞の融合は発達期のみでなく損傷後の筋再生時にも起き、厳密に制御されています。私たちがこれまでに小脳の登上線維の刈り込みと強化を制御する分子として発見したBAI3が、筋線維では筋芽細胞の融合に関与することがこれまでに示されていましたが、その詳細な分子機構はよく分かっていませんでした。この論文では、C1qL4がBAI3を抑制し、Stabilin-2が活性化することで筋芽細胞の融合を時空間的に制御することを明らかにしました(→論文はこちら)。小脳ではC1qL1-BAI3がシナプス形成を、筋ではC1qL4-BAI3が筋形成を制御することが極めて興味深いです。カナダのJean-François Côté研究室との共同研究として、慶應に短期来られたViviane Tranさんを大学院生の会見君と掛川准教授がお世話しました。
posted on 10/26/2018 1:25 PM
posted on 10/19/2018 3:56 PM
この度、JST ERATO(「ニューロ分子技術」・京大浜地総括・2018-2024年)の慶應大学拠点(代表・掛川)の整備のために、新たに特別研究員(技術員)を募集します。
本ERATO研究では、ケミカルバイオロジー分子技術の創成によって、神経活動や記憶・学習に伴うシナプスでの変化を、個々のたんぱく質分子レベルにおいて解明します。その結果として、正常および精神・神経疾患病態時におけるシナプスの変化を分子レベルで解明し、新しい治療・診断技術に繋げていくことを目指します。このために京大拠点(生物有機化学・超分子化学)と慶應大拠点(神経科学)との密接な共同研究が必須となります。
特別研究員の業務として、本研究の慶應大拠点としての事務・広報とともに、研究支援を行っていただきます。
(1)研究チームの一員として慶應大拠点に参加してみたいと思われる方
(2)責任感と協調性のある方
(3)研究経験・研究室勤務経験がある方(望ましいが必須ではありません)
は是非ご応募ください。
興味のある方は1)CV、2)2名のReference先(名前と連絡先)、3)着任希望日を書いて、柚崎研秘書(hirayama@keio.jp, yuri.y@keio.jp)までご応募下さい。お問い合わせもこちらまでお願いします。尚、応募書類は返却しませんのでご了承ください。待遇については慶應義塾大学大学規定に準じます。ポストが埋まり次第締め切ります。締め切りました。
posted on 10/14/2018 3:42 PM
この度、本研究室の大学院生の会見君(D3)および野澤君(D1)がそれぞれ、日本学術振興会特別研究員(DC)に採択内定となりました。おめでとうございました。
posted on 10/12/2018 3:43 PM
posted on 09/28/2018 3:22 PM
神経細胞の樹状突起の発達過程はin vitroでは完全に再現されません。例えば幼若型の神経突起はin vivoではいったん刈り込まれますが、この現象はin vitroでは見られずそのメカニズムはよく分かっていません。本研究では子宮内電気穿孔法を行ってin vivoにおける神経突起発達過程を観察することによって、caveolin-1がN-カドヘリンとL1のエンドサイトーシスを介して樹状突起の発達過程を制御することを明らかにしました。川内さんが鹿内さんとともに柚崎研に居られた時の仕事です。論文はこちら→
posted on 09/28/2018 1:29 PM
神経活動依存的に起きるシナプス後部でのAMPA受容体のエンドサイトーシスが、長期抑圧(LTD)の実体と考えられています。しかし個体レベルの記憶・学習が、果たしてシナプスレベルのLTDと因果関係があるのかどうかは十分にわかっていませんでした。このNeuron論文では、光照射によってLTDを制御できる新しい光遺伝学的ツールPhotonSABERを用いることにより、小脳平行線維ープルキンエ細胞間シナプスでのLTDこそが、眼球運動学習に必須であることを直接示すことに成功しました。掛川准教授、松田准教授(電通大)を中心として、加藤准教授(東海大)・深澤教授(福井大)・幸田教授(聖マリ医大)との共同研究の成果です。
本研究内容を紹介したVideo AbstractがNeuron誌に出ました。YouTubeはこちら→。
posted on 08/17/2018 12:53 PM
この度、人事異動および研究内容の拡大に伴い、新たに助教(特任)1名の募集を開始しました。待遇については慶應義塾大学大学規定に準じます。
神経活動や環境の変化に応じて、特定のシナプスが選択的に強化・減弱され、あるいは新たに形成・除去されます。この過程は記憶・学習の基礎過程であるのみでなく、さまざまな精神疾患や発達障害におけるコネクトミクスの変化の基盤であることが近年明らかになってきました。当研究室では、このような機能的・形態的なシナプス可塑性の分子基盤を、分子生物学・電気生理学・行動生物学的に解明することを目指しています。
分野としては
1.電気生理(脳切片やin vivo)あるいはイメージング分野に強いバックグランドを持つ方
2.分子生物学・形態学的分野に強いバックグランドを持つ方
のいずれかを想定しています。それぞれのバックグラウンドを活かし、是非一緒に日本発のシナプス研究を大きく発展させていきましょう。またラボで新たな技術を習得して将来のステップアップに繋げていただければと思います。
興味のある方は1)CV、2)研究の抱負、3)2名のReference先(名前と連絡先)を書いて、柚崎研(hirayama@z8.keio.jpあるいはyuri.y@keio.jp)までご応募下さい。お問い合わせもこちらまでお願いします。ポストが埋まり次第締め切ります。締め切りました。
posted on 08/14/2018 4:26 PM
Cerebellum誌に博士課程1年の野澤くんの論文が出ました。これまでに免疫組織染色に使用できる抗体が無いために、神経細胞のどの部位にNeuroligin-1が局在するのかよく分かっていませんでした。今回、野澤くんはHAエピトープタグをNeuroligin-1遺伝子に挿入したマウス(林研究員が作出)を用いることにより、抗HA抗体を用いて小脳におけるNeuroligin-1の局在を初めて明らかにしました。
posted on 07/26/2018 2:51 PM
慶應義塾大学医学部・生物学教室・梶村教授のお計らいで、本年も7月14日土曜日2時から医学部1年生を対象とした研究室へのツアーが行われました。試験前にもかかわらず、理工学部学生2名+医学部学生11名が熱心に講義と実習に参加しました。この中から何人かが将来に医学研究を志す種となって育っていくことを期待します。写真はこちら(2ページ目もあります)。
posted on 07/15/2018 1:32 PM