中川輝良博士を迎えて第160回Brain Clubを行いました
第160回のBrain Clubは一時帰国中の中川輝良先生(Vanderbilt大学)をお迎えしました。演題は「Visualizing putative ions and water molecules in the ion conduction path of the AMPA receptor」です。AMPA受容体は中枢神経系における速い興奮性伝達の担い手であり、その構造と機能の解明は基礎科学的のみならず臨床的な応用の可能性が広がる重要なテーマです。中川博士はクライオ電顕を用いて、2.3Åに達する解像度によってCa2+透過型AMPA受容体の構造を明らかにされました。面白いことにチャネル開口時にAMPA受容体に高度に保存されているゲート(SYTANLAAF)が開いた時に、同部位にCa2+に結合することをお話いただきました。おそらくNa+等の他のイオンの流入を阻害するとともに、効率的なCa2+透過性を実現するためのメカニズムと考えられ、一同興味深く拝聴しました。
08/31/2023 9:15 PM | What's New