掛川渉准教授が2024年の野村達次賞を受賞され、11月30日に北里講堂にて授賞式が行われました。おめでとうございます。野村達次博士は実験動物中央研究所の理事長、所長として終始一貫、医学の発展のために欠くことのできない動物実験システムの確立に一生を捧げられました。本賞は「In vivo実験医学」の発展に尽くされた博士の業績をたたえるために創設された賞です。同時受賞者は先端医科学研究所・がん免疫研究部門 籠谷有紀教授です。
posted on 12/01/2024 1:13 PM
第166回 Brain Clubを2024年11月28日に行いました。講師としてYimin Zou博士(Professor, School of Biological Sciences, UCSD)をお迎えしました。演題は「Role of planar polarity proteins in the formation, maintenance, and plasticity of glutamatergic synapses」です。Zou博士は軸索ガイダンス、特に長軸(AP軸)にWntシグナルが使われ、平面極性(PCP)を決める遺伝子群は軸索において機能することを見出されました。面白いことにPCP分子群は軸索伸展のみでなく、シナプス形成・維持に作用することを見出され、セミナーではアルツハイマー病やうつ病との関連性についての新しい研究について大変面白いお話をお聞きしました。
posted on 11/28/2024 10:48 AM
柚﨑研の大学院卒業生である野澤和弥君(現在Harvard Medical SchoolのPascal Kaeser研に留学中)がこのたびPrestegiousなHuman Frontier Science Program Long-term Fellowshipを獲得しました。おめでとうございます!
posted on 11/15/2024 12:52 PM
第165回 Brain ClubをWPI-Bio2Qとの共催で2024年10月30日に行いました。講師としてValentin Nägerl博士(Director, Institute of Anatomy and Cell Biology at the Medical Center of the University of Göttingen)をお迎えしました。演題は「Super-resolution imaging of brain microanatomy」です。Nägerl博士はBordeaux大学にて、STED顕微鏡を用いてシナプス可塑性に伴うナノスケールレベルの構造変化をリアルタイムに解析してこられました。近年、細胞外スペースの超解像観察技術として、Super-resolution shadow imaging (SUSHI)を開発されました。今回は超解像度技術の技術的側面のお話しからSUSHIを応用した新しい研究について大変面白いお話をお聞きしました。WPI-Bio2Q HPでのNewsはこちらです。
posted on 10/31/2024 11:34 AM
第164回 Brain Clubには2024年8月1日に高橋直矢博士(IINS, University of Bordeaux)をお迎えしました。演題は「Cortical tactile sensory processing – insights from mouse whiskers」です。マウス一次感覚野をモデルにして、どのように触覚認知の閾値がTop downシグナルで制御されるのか、さらに道具使用がどのように触覚野にrepresentされるのかという大変面白いお話をお聞きしました。
posted on 08/01/2024 8:09 PM
福岡コンベンションセンターにて7月24日-27日の日程で開催された第47回日本神経科学大会(NEURO2024)にて、医学部4年生の清水真凜さんがジュニア研究者ポスター賞を受賞しました。おめでとう!!
posted on 07/29/2024 12:03 AM
「GluD受容体がリガンド作動性イオンチャネルとして働くことを示す証拠はない」という論文がProc Natl Acad Sci誌に掲載されました。
デルタ受容体(GluD1およびGluD2)は、イオンチャネル型グルタミン酸受容体ファミリーのメンバーであり、多くの神経発達障害や精神疾患において中心的な役割を果たしています。GluDは、イオンチャネル活性とは関連無く、分泌型シナプス形成分子であるCblnやニューレキシン(Nrxn)とシナプスを越えた三者複合体を形成することにより、シナプスの形成と成熟を制御します。一方、近年、GluD2がNrxn/Cbln/GluD2複合体を形成したときにのみ、D-セリンやグリシンに応答するイオンチャネルとして機能することが報告されました。今回、私たちは、異所性細胞や神経細胞においてD-セリンやグリシンによって誘発される電流には、GluDはイオンチャネルとして直接関与していないことを証明しました。この発見は、現在進行中のGluDの機能に関する議論に重要な貢献をするものです。Pierre Paoletti研との共同研究で、伊藤さんとLaura Piotが第一著者として仕事を進めました。
posted on 07/27/2024 5:31 PM
カイニン酸型グルタミン酸受容体(KAR)のシナプス形成機能についての論文がonlineとなりました。KARは、イオノトロピック作用やメタボトロピック作用を通じて、様々な精神神経疾患や神経疾患に関与しています。しかし、AMPA型やNMDA型グルタミン酸受容体と比較すると、KARの生物学的な性質は多くの点で未解明なままです。本研究では、KARが、イオンチャネルやメタボトロピック作用とは全く別に、シナプスそのものを作るシナプスオーガナイザーとして働くことを明らかにしました。スペインのJuan Lerma研との共同研究で、掛川准教授とAna Paternainが第一著者です。プレスリリースはこちら。
posted on 07/10/2024 9:40 AM
フランスのソルボンヌ大学Jaime de Juan-Sanzとの共著論文がCell Reportsに出版されました。LGI1はCbln1と同様に「細胞外足場タンパク質」に属するシナプス形成分子の一つです。この度、LGI1もCbln1と同様に神経活動に応じて分泌されてシナプス形成を促進し、かつグルタミン酸放出を抑制することが分かりました。面白いことにCbln1はtetanus toxin (TeNT)では阻害されず(VAMP1-3非依存)、Syntaxin-4とSNAP49に依存したSNAREによって分泌されます。これに対してLGI1の分泌はTeNTで部分的に阻害され、SNAP29には依存しないことから、別々のSNARE複合体によって放出されることがわかりました。柚﨑研は井端が開発したSNARE複合体の解析技術を提供しました。
posted on 05/10/2024 12:58 AM
第163回 Brain Clubは2024年4月30日に松崎政紀博士(東京大学医学部)をお迎えしました。演題は「行動・認知を司る大脳皮質間回路と皮質-皮質下間回路の機能ダイナミクス」です。マウスやコモンマーモセットを用いて、げっ歯類から霊長類への進化において、より高次な行動・認知を実現するために大脳皮質回路とその機能ダイナミクスがどのように変化しているのかを、頭部固定下で課題実行中の大脳皮質の活動を光計測・光操作することによって解明を進められているお話をお聞きしました。
posted on 04/30/2024 6:53 PM
実験医学増刊2024年4月号「大規模データ・AIが切り開く脳神経科学」に高野さんと曽我部君の総説「近接標識法と膨張顕微鏡法が解明するシナプスのすがた」が掲載されました。
posted on 04/23/2024 1:44 PM
高野さんが、九州大学高等研究院・生体防御医学研究所 脳機能分子システム分野の独立准教授として栄転されました。お目出度うございます!引っ越し作業で忙しい中、取りあえずシャンパンでささやかなお祝い会を行いました。
posted on 03/06/2024 3:31 PM